私は、半身浴をしながら読書をするのが大好きなのですが、8月は北海道も、クラクラするほど暑くて、お湯に浸かる気持ちになれず、「読書は夏休み」に入っていました(笑)
宮部さんの作品は、「龍は眠る」をきっかけに好きになって、何冊も持っていたのですが、前に住んでいた家と一緒に燃やされてしまったので、また改めて少しずつ読んで行こうと思っているところです。
以前とは少し取っ掛かりを変えて、時代小説を選んでみました。
この「初ものがたり」は、「本所深川ふしぎ草紙」(私はまだ読んでないです
)に登場した、「回向院の旦那」こと、岡っ引きの茂七親分が、江戸の下町を舞台に、下っ引きの糸吉や権三と共に活躍する連作短編小説です。ずっと北海道で暮らしていて、あまり馴染みがない(もしかしたら我が家だけかも知れませんが
)鰹や白魚、他の地域よりずっとあとに咲く桜など、ひとつひとつのお話の中に、「初もの」が取り上げられていて、江戸の風情や季節の彩りが、印象的に描かれています。小説やエッセイに登場する食べ物を、「食べてみたぁ〜い!」と思いながら読み進めると言えば、池波正太郎さんの作品を思い浮かべる方も多いと思います。
私も、自分の中にそんな感情が巻き起こって、盛り付けや味を想像したりする楽しみも、作品の楽しみの半分を占めてくれるのではないか…と期待したりしました(食いしん坊なので・笑)
でも、どのお話に登場する「初もの」も、読み終わると物悲しさや切なさがこみ上げて来てしまって、味よりも別なことを想像してしまいました

その代わり(?)と言っては何ですが

「謎の稲荷寿司屋」の親父が作る料理は…すんごく食べたくなります

どのお話も、「現代では普通に起こっていそう」(起こっていることと大差ない)と感じることが多かったです。
どのお話も、茂七親分の「事件の被害者(時には加害者にも)」に向けられる、茂七親分の心の温かさ、懐の大きさに打たれたり包まれたりすることによって、登場人物と一緒に感じていたやりきれなさや、胸苦しさは癒されます。
宮部さんのお話を読んでいていつも感じるのは、宮部さんはとっても優しい人で、自分が作った登場人物の口を借りて、優しさをふりまくためにも、小説を書かれているのではないか?
と、言うことです。
宮部さんの優しさに触れたくて、ついつい作品を読み続けてしまう。
私自身はそんな感じです

どうやらこの作品は、まだまだ続きそうな雰囲気…なのですが…さて、続きはどの本なんでしょう?

今度本屋さんに行った時は、宮部さんの時代小説のコーナーで目を皿のようにして探して来ようと思います。


